青年の詩

字のうつらないペンを持ち

涙を流しながら

雨に打たれて 詩を書く青年が

知っている言葉を 雨の音にかき消されぬうちに

ペンが紙にあたる音を 聞きのがさないように

青年の言葉を知りたいと

人々から神と言われる存在が願っている

ついに 青年の言葉は文字にはならなかったが

風に乗って音となり

音が雲に溶け込み雨となり

青年の言葉が大地に染み込み

丘の上にある黄色い花を咲かせた

Photo×Poem: Mitsunobu Inaba